

我々はライン河クルーズを楽しんだ後、バスで約14万人が暮らすハイデルベルクへ入りました。
この街は、ラインの支流・ネッカー川沿いに位置する都市で、その美しい街並みはどこから見ても絵になり、またドイツ最古の大学があり古くから学生の街として知られ、人口の3割が学生だそうです。
我々は最初にこの街の高台にある今や廃墟同然となった最古のレンガ色のハイデルベルグ城を観光しました。
このハイデルベルク城は、プファルツ選帝候によって、14世紀に建造され増改築を重ね、ゴシックやルネッサンスの様々な建築様式が三十年戦争やプファルツ戦争などで破壊され、現存遺構は15~17世紀のものだそうです。。
我々は殆ど内部を見る事が出来ませんでしたが、廃墟の城の中でも世界大戦での空爆は逃れ勿論保存されている部分も多く見応えのある城でした。


上下の写真は「エリザベスの門」といわれ、必ず見て下さいとガイドから詳細な説明がありました。
フリードリッヒ5世が、妃の英国生まれのエリザベス・スチュワートのために造ったもので、彼女は、この「砲庭」を、気に入って毎朝散歩していたが、彼女の19歳の誕生日の朝、いつものように散歩していて、昨日までなかった門を見つけて、大変驚いたという。夫のフリードリッヒ5世は、彼女を喜ばせるために、一夜のうちに、この門を建てさせ、誕生日のびっくりプレゼントにしたそうです。




私はこの城で一番驚いた光景は、エリザベート門を入ったところから空濠越しに見える廃墟のような光景でした。色々な観光地では壊れた部分を修復し綺麗にして観光客に見せるのが普通ですが、ここは勿論一部は修復をしていると思いますが、最古の城の色々な歴史に刻まれた過去をそのまま見せつけ、見る人に衝撃を与えていると思います。空濠の右側中央下やや左の一部が崩れた小さな円塔が牢獄塔だったそうです。


上の写真は城門で、そこを通過するのに深い空濠(下の写真)があり橋が架かっています。



我々はエリザベス門を見て空濠がある廃墟の城を見た後、大きな城門塔を潜りお城の中に入ります。
城門塔は、度重なる戦争にも耐えて唯一残った塔で、高さ52m、奥行き13,5mあり、時計がとりつけられているところが、4階だそうです。
庭と城との間には、深い空濠があり、平和なときには鹿などを飼っていて、非常時には水を満たすことができ山側からの敵の攻撃に対する防御になっていたそうです。
城門塔には2人の巨人とその内側にプファルツの象徴であるライオンがいます。

その鎧を着けた巨人二人には男性シンボル部分を保護するように大きな卵型の物が付いていますが、これは保護をするものではなく、大切な物を入れる入れ物だそうです。
濠の上にかかる石橋は、昔は跳ね橋で城門塔の壁に鍵穴のような形の穴が残っているが、これは、跳ね橋をつっていたく際の穴の跡だそうです。



城門から入り中庭右側の紅葉した銀杏の木越しに、半ば崩れ落ち壁面だけが残ったようで荒涼とした感じがするオットハインリヒ館があります。
オットハインリヒ館は、1556年にプファルツ選帝侯となったオットー・ハインリヒによって建設され正面ファッサードしか残っていないが、これは、ドイツ・ルネサンスの最高傑作といわれているそうです。



城門から中庭越し正面に華麗な建物が、フリードリッヒ館だそうです。
1607年にフリードリッヒ4世により建てられて以来、代々の選帝侯の居住館であったところで、ファッサード(正面の装飾)は、黄色の砂岩でできており、歴代の力のあった選帝侯の像が飾られていました。

セバスチャン・ゲッツ作のこの16の像は、等身大より少しおおきめで、上の像ほど、足が短く下から眺めて釣り合いがとれるように、バランスを考えてそうしたそうです。


中庭から更に奥に時計が付いた城門塔があり、ここ通過するとネッカー川が眼下に見える広場に出ます。

ネッカー川対岸の森の下に見える大きな家は、現在の高級住宅街だそうです。


我々はフリードリッヒ館左側からスロープを下り建物の地下に入り、想像を絶する巨大なワイン樽を見る事になります。
この樽は1751年カール・テオドールが造ったもので直径7m、長さ8.5m、222,000リットルの容量は、木製の樽としては世界一だそうです。
樽の上方にカール・テオドールのイニシャルであるCとTの紋章が飾られており、130本の樫の木が使われているそうで、我々は樽正面右側から階段を昇り、樽の上にある宴会場を見て左側から下りて来ますが、真っ暗で写真撮影が極めて難しい場所でした。

下の写真の樽は、少し明るい場所にあり見本のための樽だそうで、本物よりも相当小型だそうです。
それでも大変大きな樽です。


下の写真はオットハインリヒ館から下りて来た気品のある絵になる女性は修道女ではないかと思います。



エリザベス門から廃墟の後を右に見て庭園を奥に進むと、左側に紅葉越しのハイデルベルクの旧市街やネッカー川、そこに架かる「カール・テオドール橋」、更に対岸のハイリゲンベルクの緑の森などが一気に飛び込んできて、その絶景に大いに感動しました。

