

ヴェネチアのゴンドラ遊覧を楽しみ、サン・マルコ寺院、サン・マルコ広場を見て感動し、ベネチアングラス工房を見学、高度な加工技術に驚いた後、昼食前2時間の自由行動となりました。
我々夫婦のスーツケースが紛失し、まずは明日着る物とビデオカメラのテープを購入すべく、時計台の下の路地からサン・マルコ広場を出て街中散策を初めました。
我々はガイドブックの地図を持たずに簡単な気持ちで、高級店が並ぶ細い路地を辿って行きました。


上の写真は最もヴェネチアの街並みを現しているアングルで、橋の上で絵を売っており、運河沿いの小道からこちらに向かって階段を上がって来る帽子を被りコートを着た素敵な紳士がいて、最高の写真が撮影できる予定でしたが、紳士に気を使い焦ってイマイチになってしまいました。でも素敵です。
ヴェネチアの街並みはどこを撮影しても絵になりますね。


ヴェネチアは11世紀末から勢力を拡大し、16世紀にかけて全盛を迎えたのですが、その後衰退したそうです。赤茶けた古びた建物の間を縫う様に続く細い路地と運河の様子は16~17世紀当時のヴェネチア本来の姿を伝えている様で感動の連続です。


細い路地の両サイドにはショーウィンドウの中が綺麗に飾られた高級店がビッシリ並び、そこを多くの観光客が散策しています。
日本のようにシャッターが閉まっている店はまったくありませんでした。
イタリア旅行で驚いたのは中国人を初めとした東洋人の観光客が極めて少ない事でした。
日本人観光客も相当入っている筈ですが、それ以上に世界中から沢山の観光客が集まっているようです。


我々には高級店は必要なく、入り組んだ路地を奥へ奥へと入り込みました。
何とか我々でも購入する事が出来る価格のシャツを見つけ一番小さなSサイズを購入しましたが、ホテルで着てみると手の長さが10cm以上長く困ってしまいました。
さて、私は日頃から方向感覚だけは鋭く、たえず自分の位置を確認しながら行動していると思います。
この為、買物で奥へ奥へと入った通りを単純に戻ることもないと思い、横道にそれて散策を始めました。


水の都ヴェニチアは海上に浮かぶ100以上の島からなる水上都市で、街中の細い路地を歩いていると、細い運河が縦横無尽に入り組み、まるで街中が迷路の様になっており、私が自信を持っていた鋭い方向感覚も役に立たない事に気付きました。
太陽が出ており、方向的にはこちらかなと思っても真っ直ぐな道はなく、運河に橋が無かったり、行き止まりになっていたりして困りました。
途中からは東洋人に全く会わなくなり、観光客の数も減って来ました。
集合時間30分前になっても、あの高いサン・マルコ広場の鐘楼やサン・マルコ大運河が見えません。


我々は遂に焦り初め私が意を決して、カフェテラスのウェイターさんに旅行会社から渡されたガイドブックに載っていたサン・マルコ広場の写真を見せて、行く方向を身振りで聞きました。
一度聞いてその方向に向かいますが、またまた運河や行き止まりに突き当たり、何度もあちこちで聞きながら漸くサンマルコ広場が見えた時は集合時間10分前で本当にほっとしました。
2時間以上の楽しい散策でしたが,最後は焦りました。

ヴェネチアでも宅急便のように荷物を運んでいる人達を見掛けましたが、橋を登ったり降りたりと大変そうでした。

私の頭の丁度後方にある時計台の下から広場を出て、ここに戻って来たのは私の予想とは全く逆の、私が向いている方の入口から入って来ました。
本日ヴェネチアを観光している東洋人の中で我々夫婦が最も沢山の距離を歩いたのではないかと思いました。